天才外科医・斑木ふらんのメスが光るとき、生み出されるのは神か、もしくは悪魔か ー。
木々津克久先生の代表作、『フランケン・ふらん』。(木々津先生は他に名探偵マーニーなども執筆しています。)
主人公の美少女・斑木ふらんは裏社会にその名を轟かせる天才外科医。その神秘の手術の腕で、あらゆる患者の 健康・精神・思想の悩みを解決していくが・・・。
グロ要素・鬱要素がかなり多いホラーコメディ作品です。
秋田書店の漫画誌「チャンピオンRED」にて2007年8月号から2012年3月号まで連載され、2019年4月号から『フランケン・ふらんFrantic』として連載が再開されました。
『フランケン・ふらん』あらすじ・作品紹介
『BRAINS』
『フランケン・ふらん』は各話ごとに依頼人が現れ、主人公のふらんがその悩みを解決するという形になります。そのため、ネットでも有名な回をいくつかご紹介。
ある日、ふらんのもとに大企業・松井財閥の会長が訪問。依頼内容は交通事故で死んでしまった息子を生き返らせてほしいとのこと。
父親らしいことを何もしてやれなかった後悔と、息子をかわいがっていた妻への懺悔の気持ちをフランに語った。
会長の気持ちに共感するふらんは依頼を受けることを決めるが、この依頼には実は裏が・・・?
『CHRYSALIS』
男子中学生・田嶋はクラスの女子・金田に告白するもこっぴどく振られてしまう。
その直後、田嶋の目の前で金田は大型トラックにひかれてしまった。パニックになった田嶋は近くのふらんの住む屋敷まで助けを求めに走る。しかし、ふらんたちが駆け付けた時にはすでに金田は手遅れだった。
それでも必死で金田を助けてほしいと懇願する田嶋。ふらんは田嶋に「何があっても文句を言わない」ことを条件に、依頼を受け付けた。
18時間にも及ぶ大手術の末、ふらんの屋敷で目を覚ました金田。
その時、ふと自分の体に違和感を感じ、目を向けると・・・?(このシーンはかなりグロテスクなので、購読の際はご注意ください。ヒントはCHRYSALISの意味を調べてみてください。)
『ADOREA』
ある日、依頼を終了させ帰路についていたふらん一行。その道中トンネルを抜けようとすると爆発に巻き込まれ、過激派の団体に閉じ込められてしまった。
彼らは生死は人間の運命であり、それを左右させる現代医学に否定的な意見を持っていた。
トンネルの出入り口が閉じ込められているためにふらん一行、過激派共々生存が危うい状態の中、過激派の一人が重傷を負っていることが発覚する。
するとふらんは助手・アドレアを呼んで、手術に協力するよう命じる。彼女の全身の包帯がほどかれると、その奥に潜んでいたものは・・・?
読んでから考えさせられる終わり方がすごい!
この作品は基本的に一話でエピソードが完結します。複雑な設定や伏線などはあまり出てきませんが、それでも十分に読み応えがあります。
中でも見事なのは各話ごとの「終わり方」でしょう。依頼した人間たちは第三者目線でみると悲惨としか言えない末路をたどるのがほとんどです。しかし、当の依頼者・患者本人にとって必ずしも不幸かというとそうでもなく、むしろ幸福に感じている描写も多々あります。
主人公のふらんは、「人間は地球という有機物を浄化できる唯一の生命体」であり、「どんな形でも生命体として生きていることに価値がある」という思考の、医学の申し子ともいうべき存在。
周りに異議を唱えられても、日夜人類のために医学を追求し続けています。
結局、幸か不幸かはあくまで価値観の違いでしかないのではないか、そんな何とも言えない哲学的な後味と、コメディ要素・グロ要素のギャップがとても面白く、気づけば一冊読み終わってしまう作品です。
『フランケン・ふらん』まとめ
『フランケン・ふらん』についての感想・レビューでした。
本作はネットでも有名なグロ作品なので、そちらの描写が苦手な方は正直キツイかも。
しかし、この作品は間違いなく面白いです。
2023年現在、作名を変えて連載が再開されたので、そちらも随時紹介していきたいと思います。
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