今回紹介する作品は、小説『アーモンド』(作:ソン・ウォンピョン、訳:矢島暁子)です。
韓国では40万部、13か国で翻訳され、日本では2020年度本屋大賞翻訳小説部門で第1位を受賞した人気作です。
今回はこれから購入を検討されている方向けにあらすじ、感想、口コミなどをご紹介していきたいと思います。
小説『アーモンド』あらすじ
主人公・ユンジェは生まれつき頭の偏桃体(アーモンド)が人よりも小さく、自分の感情を言葉にするどころか、感じることも苦手な少年。
目の前で女の子が転んだ時。男の子が道端で倒れていた時。どんな時もユンジェは怖いぐらい落ち着いていた。
生まれてこの方笑いもせず、泣きもせず、怒りもしないユンジェを心配した母さんは僕が少しでも「普通」になれるように、目立たずに暮らせるように様々な教育を施した。
車が来たらよける、相手が笑ったら笑い返す、人が近づいてきたら避ける・・・。
体が大きくなっても頭の中のアーモンドは全く成長しないユンジェと、諦めない母さん、そしてユンジェを「小さな怪物」と呼ぶばあちゃんとの3人暮らしは続いた。
あるクリスマスイブの日、街へ出かけたユンジェ達3人は、暴漢に襲われた。ハンマーで何回も頭を殴打された母さんと、ユンジェをかばって刺されたばあちゃん。その時も、ユンジェはいつものように、ただ黙って見ているだけだった ー。
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小説『アーモンド』感想
ユンジェを取り巻く人々
小説『アーモンド』の感想を紹介します。
本作の前半部はユンジェ、母さん、ばあちゃんの3人が主な登場人物でしたが、後半からはいわゆる「一般社会」の人々がユンジェと関わり始めます。
代表的なのが作中で「もう一人の怪物」と紹介されている少年・ゴニ。不良少年である彼はユンジェとは正反対の、強すぎる感情を持った少年です。この2人は作中で幾度となくぶつかり合うことになります。
もう一人、ユンジェの母さんの友達で、パン屋を営むシム博士。母さんが入院してからは、ユンジェの相談相手兼友人のようになります。ユンジェが高校という「社会」で悩み、傷つき、また気づいたことを聞きながら、ユンジェの成長をまるで我が事のように考えてくれる、貴重な人物です。
ユンジェが「個性」を持たないからこそ、これら登場人物の個性がより際立っています。
文章の長さ
この作品は主人公・ユンジェの目線で進行していくのですが、一つ一つの文章がとても短いのが特徴です。
文章は、自分の伝えたい感情や気持ちが多ければ多い程長くなります。感情豊かな人が良くしゃべるように。しかしユンジェは「感じる」ことが出来ません。文字にするしない以前の問題なのです。
自分の感じることが少なければ、当然文章は短くなります。「感じる」ことが出来ないユンジェから見た日常は、ただ一言日記のように淡々と過ぎていくだけなのでしょう。
そんなユンジェですが、高校の同級生や母の友達であるシム博士らと関わるうちに徐々に自分の気持ちを口にする機会が増え始めます。物語の後半に移るにつれて、ユンジェの心情を吐露する描写が多くなっていき、文章も長くなっていきます。そして感動のラストへと繋がるのですが、ここは是非自分の目で確認してみてください。
小説『アーモンド』口コミ
ここからは小説『アーモンド』の値段・口コミ・評判を見てみましょう。購入の際の参考にしていただければと思います。
以下に、各通販サイトのカスタマーレビューと値段を記載します。
Amazonショッピング:4.3/5.0 1667円
楽天市場:5.0/5.0 1760円(送料無料)
Yahooショッピング:4.5/5.0 1760円
各サイトとも、レビューはかなり高く、「読みやすかった」「一気に読める」などの感想が目立った一方、お値段は文庫本にしては少々お高め。
しかし、実際購入した僕から言わせてもらうと、是非一度読んで損はない作品だと思います。
特にラストは感動的。ぶわあっと心が揺さぶられるような感動が波のように押し寄せてきます。
各通販サイトには中古版もそろえてあり、街の図書館でもよく見かける作品です。
まとめ
今回はいかがだったでしょうか?
ここ数年読んだ作品の中でもトップクラスに感動できる作品でした。
これほど主人公に共感できる作品は中々ありません。
ぜひ皆さん、手に取ってみてください。
ブログの方もよろしくお願いします!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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