今回紹介する作品は、小説『ベルリンは晴れているか』(作:深緑野分)です。
「このミステリーがすごい!2019年版(国内編)」第2位を獲得した、話題の歴史ミステリーです。
今回はこれから購入を検討されている方向けにあらすじ、感想、口コミなどをご紹介していきたいと思います。
『ベルリンは晴れているか』あらすじ
第2次世界大戦直後、連合軍占領下のドイツ・ベルリン。
アメリカ軍の兵員食堂”フィフティ・スターズ”で勤務するドイツ人少女・アウグステは、連合軍の人間からの嘲笑、差別を受けながら希望のない日々を過ごしていた。
ある日、夜遅く帰宅したアウグステの自宅の扉が激しく叩かれた。そこには「ソビエトの連中が呼んでいる」という2人のアメリカ人将校が。いわれるままにソ連軍の管理区に連れていかれるアウグステだったが、2人の将校はソ連兵といさかいを起こした挙句アウグステをおいて逃げ帰ってしまう。
すると、一人残されたアウグステに一人の青年将校が話しかける。彼はドブリギン大尉と名乗り、アウグステにある人物の遺体を確認してほしいという。
案内されたアウグステが見た遺体の名前はクリストフ・ローレンツ。アウグステにとって恩人にあたる人物だった。
ドブリギン大尉はこの”殺人事件”にドイツ人反乱組織「人狼」が絡んでいるとにらみ、クリストフの甥エーリヒ・フォルストを探してほしいとアウグステに依頼する。
アウグステはひょんなことから同行することになった元俳優の泥棒・カフカと共に恩人の甥を探しに旅立つのだった ー。
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『ベルリンは晴れているか』感想
「幕間」で語られる戦時下のリアル
この作品は各章の間に「幕間」という章が挟まっており、そこではアウグステの第2次世界大戦下での日常が描かれます。
共産主義者の両親の元、ナチスドイツが増長していく時代を生きていたアウグステ。慎ましくも平和な生活を送っていましたが、戦争が始まり、戦況が膠着し、そして劣勢になっていくにつれ、何とか平穏を保っていたアウグステ一家は徐々に戦争に飲み込まれていきます。
戦時下の集団心理、人々の余裕のなさ、そしてあらゆるものが破壊される悲惨さが、ものすごく鮮明に描かれています。本編のことを忘れてしまうほど、幕間で紹介される描写はリアルで、ミステリー小説であることを忘れてしまうほどでした。
日本と違い、全国土が直接戦場になり、最終的に首都を直接占領されたドイツ。その戦時下の状況は目を覆うほど悲惨です。しかし、これらはほんの70年前にあった事実なのです。
果たして犯人は誰なのか?
アウグステは恩人であるクリストフを殺害した犯人を突き止めるため、泥棒のカフカと共にバーベルスベルグという土地へ出発します。
その道中でも何度もアメリカ、ソ連などの「勝者」の都合に振り回され、信頼感を持ち始めていたカフカの正体にも気づかされることになります。
「さっきまで、今日の空がこんなに美しくなければよかったと思っていた。私の心と同じく、雨が降り出しそうな重苦しい曇天であればと。だけどそうじゃない。これで正しかった。晴れていてよかった。」
物語のクライマックスで、アウグステがある決断をするときの描写です。タイトルの通り、今日ベルリンの空は晴れている。でもそこに住まう人々の心は果たして晴れているのでしょうか?晴れているか、というのは何を指すのでしょうか?
『ベルリンは晴れているか』値段・口コミ
ここからは小説『ベルリンは晴れているか』の値段・口コミ・評判を見てみましょう。購入の際の参考にしていただければと思います。
以下に、各通販サイトのカスタマーレビューと値段を記載します。
Amazonショッピング:4.2/5.0 文庫版990円 kindle版880円
楽天市場:5.0/5.0 990+送料300円(中古版約300~600円)
Yahooショッピング:4.0/5.0 900+送料500円
平均的な評価は4.0~4.5程。値段は書籍本体と送料を含めて約1400円ぐらいです。各サイトに中古本もあるので、探してみてください。
レビューでは、やはり最近のウクライナ問題と絡めて評価する声が目立ちました。当時の時代背景と重なるものがあるだけに、影響された方は多いようです。
僕もウクライナ問題を受けて、戦争小説に興味を持ちました。一日も早くウクライナに平和が訪れるよう祈っています。
まとめ
今回はいかがだったでしょうか?
戦争者は残酷な描写も多く、苦手とされる方も多いです。しかし、戦争には人間の本質が現れている、と僕は思います。
人類の歴史とは戦争の歴史であり、現在の我々にとっても決して他人事ではありません。戦争について考えることは、現代を生きる我々の義務といっても良いでしょう。
ぜひ皆さん、手に取ってみてください。
ブログの方もよろしくお願いします!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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